Ⅱ 税理士による印刷業の税務解説

収入計上金額(簡易課税選択時)

 郵便局で購入した郵便はがきに、顧客からの注文に応じて文字や図柄を印刷して顧客に販売した場合、顧客から受け取る販売代金全額が消費税の課税売上となるのが原則ですが、簡易課税制度を選択時には、購入した郵便はがきを立替金として処理し、顧客への売上金額は、印刷代金のみとして処理する経理方法を選択しましょう。消費税の納税額を抑えることができます。

在庫の管理・評価

 印刷業は、製造業の一種と考えられます。そして、個別受注生産が前提となるため、原価計算が最大のポイントになります。期末日における製品・仕掛品の棚卸は勿論のこと、作業工程での進捗度の算定の基準も明確にする必要があります。製品・仕掛品の期末棚卸資産の評価方法は、個別法・売価還元法を選択するのが無難です。(材料・貯蔵品は、最終仕入原価法でも良いと思われます。)なお、古紙の売却収入の計上漏れは、税務調査での指摘事項になりますので、要注意です。

特別控除、特別償却

 大型機械を導入した場合、租法第42条の6 《中小企業者等が機械等を取得した場合の特別償却又は法人税額の特別控除》の適用がないか、必ず確認するようにしましょう。また、修繕費として計上しているものが資本的支出に当たらないかも、注意が必要です。

その他、ご不明な点は、印刷業に強い税理士へ、お気軽にお問合せ下さい。
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